10月9日におきた仙台駅での新幹線硫酸漏れ事故
硫酸をこぼし「試薬の硫酸なので大丈夫です」と言っていたのは「地質調査会社に勤務する男性」で青森から試薬を運んでいたようです。会社名などは今のところ明らかになっていない模様。
ただ転んでお尻にやけどをした5歳児は火傷の中で一番重いⅢ度熱傷を負ったそう。
ここまで深いと逆に痛みすら感じないレベル。
硫酸が安全なのはあくまでも実験室レベルであって、パニックになった新幹線の中では中和するどころか応急処置すらなかなか対処できないでしょう。
硫酸を持ち歩くことはあるのか?
まず地質調査で硫酸を使うことがあるのか気になったのですが、専門家によると鉱物の成分を調べる際、金が含まれているかどうか調べるために硫酸を使うこともあるようです。
わざわざ濃硫酸を持ち歩いていたということは、金に係るかなり特殊な調査をしていたのかも。
鉱物の成分を調べるため薄めた塩酸を持ち歩くことがあり、その際は瓶に入れて運ぶ。金が含まれているか調べる際は硫酸を使うことがある
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce1e06a955fb1ef8ab9595dfbb6eaf346fb51559
だとしても、濃硫酸をペットボトルで…はちょっと信じられないですね。
JRに硫酸を持ち込めるのか?
JRでは他のお客様に危害を与えるような危険物の持ち込みは禁止されています。
当然、漏れるような状態で持ち運んでいる硫酸は問題外ですね↓
ただ、手回り品で一切の危険物が持ち込めないかというと実はそういうわけでもなく例外もたくさんあります
仮に硫酸だとしても、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造がされており、0.5L以内でしたら持ち込むこと自体に違反性はありません。
これもOK?実は電車に持ち込める危険物
旅客英魚鼓規則別表第4号で適用除外の物品の一覧を調べられます。
意外と除外品が緩いので驚きました
ただ実際のところ新幹線の手荷物検査はほぼできていないのが現状
以前より厳しくなっているとはいえ「全量検査」には程遠く、乗客のモラルや良心に任せている部分が多いです。
今回の加害者も「試薬の硫酸なので大丈夫」といった認識をしており、意識は低かったと思われます。
銃弾は実は大量に持込可
例えば火薬自体は持ち込みが制限されていますが、銃弾類に限ってはかなり制限が緩いです。まぁ一部の銃を使う職業や公務員に配慮してるのだと思いますが。
(1) 銃用火薬で、容器・荷造ともの重量が1キログラム以内のもの。
(2) 振動・衝撃等によって発火するおそれのない容器に収納した、銃用雷管又は銃用雷管付薬きょうで 400個以内のもの。
(3) 銃用実包又は銃用空包で、弾帯又は薬ごうにそう入し、又は振動・衝撃等によって発火するおそれのない容器に収納した200個以内(競技用の口径0.22インチ以内のライフル銃用実包又は拳銃用実包にあっては800個以内)のもの。
揮散性毒物も持ち込めてしまう
毒物なんて聞いただけでゾっとしますが、クロロホルム・ホルマリン・液体青酸に限っては持ち込みが許されているようです。
液体青酸なんか沸点低いし、うっかり漏れたら大変なことになりそうなものですが。
次の各号に掲げる物品は、手回り品として車内に持ち込むことができる。
(1) クロロホルム、ホルマリン及び液体青酸で、密閉した容器に収納し、且つ、破損するおそれのないよう荷造した0.5リットル以内のもの。
(2) 揮散性毒物のうち試薬として用いるもので、容器・荷造ともの重量が3キログラム以内のもの。