4年前、福岡市の商業施設で当時15歳の少年が女性を殺害した事件がありました。
あの事件はとても悲惨でしたね。
何しろ商業施設で万引きした包丁を使って見ず知らずの女性を刺殺したわけで、動機も好みの女性を見つけて性行為がしたかった、包丁を突き付けて脅したところ、自首するように言われたがそれを見下されたと感じた等、非常に短絡的ですから。
殺害後に近くにいた別の親子にも襲い掛かり一歩間違えれば被害者は複数人になった可能性もあり、人間の所業とは思えない非常に狂暴性の高さを感じる事件でした。
その遺族は少年とその母親に対して損害賠償裁判を起こしているようです。
※既に少年は懲役10年から15年の刑が言い渡されています。
刑務所の担当官を通じて謝罪の気持ちがおきていないのかやり取りを行ったようですが、やり取りは以下の通りで反省の言葉は1つもなかったようです。
■女性の母親
「娘に包丁を向けたとき、刺したときにどう思ったか。」
■少年
「人はあっけなく死ぬんですわ。」
■女性の母親
「娘に抵抗されたときにどのように思ったか。」
■少年
「偽善者ですね。」
■女性の母親
「謝罪の意味を答えてほしい。」
■少年
「ごめんですね。」
■女性の母親
「被害弁償の意思はあるのか。」
■少年
「支払い義務はありません。」後悔や反省の言葉は一つもありませんでした。
これだけ見ると血の通った人間だとは思えなくて、この人が10年後には世間に出ているかもしれないと思うとゾッとしますね。
ですが、事件について調べてみると少年の生い立ちも私が想像していた以上に壮絶なものでした。
事件当時15歳だった加害者の少年Xは、3人兄弟の末っ子として鹿児島県薩摩半島の南端に位置する小さな集落で生まれ育った[18][19]。Xは3歳児健診の時には既に注意散漫や多動や粗暴性を指摘されており、さらに保育所での粗暴行為も顕著になり、他の児童へ噛み付いたり、職員への暴力などが見られ、Xが癇癪を起こして大暴れして保育士が骨折したという報告もあった[18]。児童相談所の記録によるとXの母は家事育児能力が欠如しており、小学校の担任の調書には「母親は長女には関わるが、他の2人の兄弟には薄弱」という記載があった。さらに母親は家庭内で包丁を振り回したり[20]、Xに対して常日頃から「死ね」などの暴言を浴びせて心理的虐待をしていた上、兄弟が未就学児の頃からアダルトコンテンツを買い与える、性的な行為を行う、精神科に入院中のXに対してアダルト雑誌を差し入れようとするなどの性的虐待を行っており、母親が精神科医に対して「うちは性にオープンな家庭だ」と説明することもあったという[21]。Xの兄は幼少期から父親から暴力を受けており、さらに兄もXに対して殴る蹴る、エアガンで撃つ、首を締めるなどの暴力を振るっていた上[2][22]、Xが両親の性交を目撃する事もあり、さらにはXが8歳から10歳の頃には兄がXに性器を舐めさせるという性的虐待を行っており[23]、母親に対しても自慰行為の補助をさせたり、胸を舐めるなどの性的行為をしていたことがあった[21]。Xは2012年に小学校に入学するが、ここでもXの粗暴性は継続し、他の児童の首を締めたり、教諭に「殺すぞ」と暴言を吐くといった問題行動を毎日のように繰り返し、さらには1年〜2年の時に陰毛が生えるなどの異常な体の発達が見られ、さらに1日に何度も人目も気にせずに自慰行為をするようになった[19]。2014年に父親が不倫をした事がきっかけで両親が別居になってからは暴力がさらに悪化し、Xが小学3年生の頃、家族はついに手に負えないと判断し精神科病院へ入院させたが、Xは行く先々で他の児童に暴力を振るったり木の枝で刺したり、職員に対しても骨折させるなどといった暴力沙汰を起こしていた上に自殺未遂も起こし、児童心理治療施設や自立支援施設などの施設を転々とした[19]。2017年には両親の離婚が成立し、Xはその翌年に国立の治療施設に入所するが、ここでも暴力行為や無断外出が見られ、さらには強化ガラスを消火器で割ろうとした事からXは鑑別所に入所[14]。そしてXは14歳だった2019年に少年院に送致された。Xはこの少年院で約10ヶ月を過ごした後に中学3年の夏休みに退院する事が決まり、母親が身元引受人になる予定だったが、直前になって母親は金銭的な理由で引き受けを拒否[12]。2020年8月にXは少年院を仮退院して福岡県田川市の更生保護施設に入所した[2][24]。しかしXは入所翌日に施設を抜け出した[25]。コンビニで出会った若い男性に「お金に困っており、泊めてほしい」と何度も頼み込んだ。男性からは断られたものの、現金3千円を貰ったため、その金でコンビニで避妊具などを購入した[2][11][24]。
生まれつき、病的に狂暴な性質はあったようですが、家庭環境にもかなり問題があったようです。家族のだれからも愛されず肉体的暴力・精神的暴力・性的暴力を振るわれ慰み者のようにされていたようで人格が歪んでしまったことも理解できます。
そのことが原因なのかは不明ですが、低年齢で体が成熟してしまうような異常な体の発達もあったようです。（思春期早発症？）
環境がこのような善悪の区別ができず、理性的な判断のできない怪物のような子供を作り上げてしまったのでしょうね。人格形成をする機会もなく、人からの愛情をうけることもなかったことは同情できる部分もある反面、それと同時に本当に今からでも更生できるのか…再犯の恐れはないのか？という疑問符も浮かびます。
性衝動は化学的去勢をしない限り難しいのではないのでしょうか？日本でも導入を望みたくなるようなケースですね。
